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中国武術・太極拳界の巨星 馮志強老師 逝去
私の28年にわたる師であり、混元太極拳の創始者である、馮志強老師が5月5日午後、亡くなられました。亨年85歳でした。馮老師は、陳家太極拳17世の名人陳発科の関門の弟子であり、その友人で中国気功の父と称えられる胡耀貞の弟子でした。二人の達人に同時に教えられ、後に両者の優れた所を融合して、陳式混元太極拳を創始されました。混元太極拳は、ゆったりとして心地よく、柔らかさと強さ、繊細さとおおらかさを併せ持ち、まさに自然身法そのものです。近年、太極拳が健康体操になり、あるいは競技スポーツ化する中で、心身を内側から鍛えるという本来の内功としての太極拳を今の時代に蘇らせたのです。
馮老師は、2年前から調子を崩されながらも、指導を続けられ、昨年11月の混元太極拳世界大会でも、力強く挨拶されていました。この4月、北京に療養中の老師をお見舞いに行ってきましたが、その1ヵ月後に、帰らぬ人となってしまいました。
武術家として生まれ、武術家として生き、先師の志を受け継ぎ、陳式心意混元太極拳を世界に広め、天寿を全うされました。数々の武勇伝でも知られ、最後の実戦の太極拳家とも称されました。いかつい面持ちとがっしりとした体格の反面、いつも周りの人を気遣うやさしさは皆に慕われました。
亡くなられた5月5日は、奇しくも月が地球に最接近するというスーパームーンの日で、日本では全ての原発が止まるという大きな節目の日でした。4月29日、私がカルチャー・ドゥーで演じた「気舞と書:龍の波動」も今となってみると、辰年に天に召された、辰年生まれの馮老師へのレクイエムに思えてきます。老師のご冥福をお祈りいたします。
自然身法研究会代表 日本馮志強太極研究会理事 出口衆太郎
