日常動作が健康を創る…身のこなしのメソッド・自然身法

筋トレ・スポーツのデメリット

筋トレ・スポーツのデメリット

 ランニングや水泳、筋トレ、ヨガ、ストレッチングなどは、ある程度持続的な訓練をしていくと、つらさや痛みが一般的には生じてきます。体質の弱い方やその訓練に慣れていない方は、その時点でギブアップしてしまうのですが、トレーニングに慣れてくると、ある程度、苦しさや疲労を堪え忍びながらも持続できるようになるものです。そうやって記録(あるいは可動範囲)を伸ばして行くわけです。
 しかし、アスリートはここで止めるわけにはいきません。さらなる苦しさや疲労を感じつつも、トレーニングを継続するのです。頑張り続けて自己の体力の限界近くになると、ある時点で苦しさが引き、快適な感覚が生まれることがあります。一見、心身が動作に適応し、全身にパワーが蘇ってきたように感じるのですが、このランニングハイのような感覚は、見せかけの快感なのです。
 それはβエンドルフィンなど多くの脳内麻薬が痛みを和らげようと放出された結果の鎮痛作用です。筋肉疲労や心肺への負荷が消えたわけではなく、痛みだけを麻酔で抑えているようなものです。この快感は、後で筋肉や関節の故障や内臓障害、免疫力の低下を引き起こす可能性が高いわけです。アスリートはそのような危険を侵しつつも、記録を伸ばすために、勝つために、自己の限界を超えてやり続けねばなりません。アスリートは一般人とは比べ物にならないほど、筋肉、内臓などの体質がもともと強固なので、ちょっとやそっとでは痛みや故障は出ません。
 しかし、健康のためやストレス解消のためにからだのトレーニングする私たちが、疲労感や痛みという危険信号を無視してまで、やり続けることは、本末転倒になりかねません。しかし実際には、アマチュアや愛好者のレベルでも記録を上げ、勝つことにやりがいを求めていることがほとんどで、つい過度のトレーニングになりやすいのです。それは競技性を主眼においているスポーツの宿命といわざるをえません。けれども、ランニングハイのように脳内麻薬が出るほどまで頑張ってスポーツするのは、健康のためによくないことははっきりしています。

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